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夢アイデアコラム

第22回夢アイデアまちづくりの審査を終えて

令和7年1月

 今年の嬉しいニュースに、パリオリンピックでは日本選手団が20個の金メダルを獲得しました。海外の大会での最多を更新したそうです。又、メジャーリーグでは大谷選手の活躍ぶりが毎日のようにメディアを賑わし、更に12月には日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞する栄誉に、日本中が歓喜に沸いたものでした。

 一方世界の至る所で、温暖化の影響もあるのか地震、大洪水、山火事などの自然災害に見舞われ、道路の決壊や家の崩壊で日常生活が未だに奪われている状況や、海外で続く戦争などの暗いニュースも多いこの一年でした。

 そんな中、私達に明るい希望と前向きな気持ちで夢を語って下さったのが、2024年12月7日(土)にTKPエルガーラホールで開催されました第22回「夢アイデア交流会2024」に応募して頂いた皆さまでした。
 「夢のような話を本気でしよう」というキャッチフレーズのもと、今年のまちづくりに関する提案はジュニアの部に27件、一般の部に28件の計55件、北は北海道から南は鹿児島まで全国津々浦々から、年齢層も小学一年生から80代半ばまでと、次世代を担う若者から人生経験豊富な世代までの実に幅広い皆さまからの応募がありました。

 今回の応募作品は、地球環境問題特に地球温暖化やSDGs、コミュニティ、人や動物への思いやり、心と体の健康維持、観光、交通についての語りかけなど今世の中で起きている問題に視点を向け、多くの人が深く関心を持っていることへの「夢」の提案が多かったような印象を持ちました。
 一次審査を通過したジュニアの部3件、一般の部7件の計10件の受賞者によるプレゼンテーションは、審査員のほか会場にお越しいただいた皆さま、オンラインで視聴いただいた皆さまを魅了する堂々たるものでした。

 今年度最優秀賞に選ばれたのは、ジュニアの部では「地球温暖化問題解決の街づくり」小学6年生の杉本勇人さんの提案でした。地球温暖化は、世界中で待ったなしの問題として取り上げられていますが、その問題に目を向けデータを調べ、樹木を栽培して二酸化炭素を吸収させるという具体的な提案は大変興味深い内容でした。そのお薦めの木が(1)やなぎ(2)ベイツゲ(3)プラタナスで、各々の特徴をイラストや写真でわかりやすく説明をして小学生とは思えない見事なプレゼンテーションでした。
 一般の部の最優秀賞は「小値賀島の主要な観光地へのアクセスの快適化」長崎県立北松西高等学校2年1組5名の皆さんの提案でした。代表して境さん・角永さんがプレゼンをして下さいました。全周約30kmの小値賀島は「日本で最も美しい村」に加盟し、国内外から延べ4万人の観光客が訪れるそうですが、アンケートの結果は観光地への行き方がわかりづらいという現状だったそうです。その課題をクラスで考えた結果、観光客が道に迷うことなく快適に観光地を巡ることができるルート動画付き観光マップの制作や、島内各所へのQRコードの設置、外国人であっても迷うことなく観光ができる提案でした。これは相手の立場にたった思いやりの提案と言えるでしょう。私もツアーコンダクターとして国内外の観光地を随分巡りましたが、確かにアクセスのわかりやすさ、案内板などの工夫でその観光地の力の入れ方、取り組みが垣間見える気がしたものです。高校生の若いパワーと知恵でこの夢が実現することを願っています。

 交流会でのプレゼンはありませんでしたが、夢アイデア部会特別賞に一般の部より「お笑いを通じた社会課題の解決」神奈川のソーシャルビジネス芸人さんと、審査委員特別賞にジュニアの部より「ごみのない町づくり」鹿児島の小学6年生の2件が受賞されました。

 今回の夢アイデアまちづくりの審査にあたり、現実に起きている問題を静観するだけではなく、自ら「夢」に変え「夢アイデアまちづくり」に向かって考え、行動を起こしてゆく応募者の皆さまの意気込みを感じることができました。私達もそのパワーを頂き大変意義深い有意義な時間を過ごすことができましたことに感謝申し上げます。来年はどのような「夢アイデア」が語られるのか今から楽しみにしております。

    道守ふくおか会議 代表世話人               
道守柳川ネットワーク代表  山田三代子
夢アイデア審査委員(令和3年~)

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